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新シリーズ 中小企業経営者のためのレッスン16 LESSON10 事業継承と再生支援


このサイトは8月末に終了します!

 

中小企業経営者のためのレッスン16

新シリーズです。
過去掲載したものを現在の状況も加味してリライトしてお送りします。

是非お読みください。

インデックス

1.資金繰り
2.キャッシュフロー計算書
3.売上とはリスクとの交換
4.中小企業支援策の体系
5.税制
6.借入制度・保証制度
7.資金調達手段のバリエーション
8.経済産業省補助金
9.厚生労働省助成金
10.事業継承と再生支援
11.単位採算性
12.M&A
13.FC

ラスト3つは伏せておきます。

****

 

10.事業継承と再生支援

 

(1)それぞれの定義

 

 事業継承では、事業体が利益を出しているケースは、論議しません。その場合はまず、問題にはならないと思いますし、支援する体制も既にあると思われるからです。

 

 事業継承支援の定義とは、前経営者から、後継者が、事業を引き継ぎ、自らのビジョンで事業を展開することです。

 

 事業継承の方には国の施策に変化があり、事業継承者は親族と言うルールを外しつつあります。

 以前は家業を守るという日本人的な、考えがありました。

 一子相伝の伝統と言った方が腹に落ちやすいかもしれません。

 しかし、旧業態があまりに世の中に適合しなくなってきたために、国はその概念を広げつつあります。

 しかし、その概念の広げ方については、現在模索中です。

 従業員継承であるMBOはまだ、いいでしょう、親族外でも同じ会社の人(達)です。まったく第3者のM&Aでも良いのかということです。

 M&Aには単に不動産の居抜きのケースまであります。

 国の本音は、事業所数を減らしたくないということです。

 それに付随して、そこで働いていた社員の雇用の確保の問題があるということです。事業を継承する大義は?と考えると確かに難しいものがあります。

 

 再生支援は定義の段階で早くも誤解の芽が隠されています。

 相談所管の事業引継ぎセンターの窓口で相談依頼に来る人と機関の方で食い違いが多く発生しています。

 相談に来る人は「再生支援してくれる」と考えてくるのですが、定義は「(自主)再生」するのを「支援する」のです。

 この(自主)再生のガイドラインになるのが

 定性的には

・経営者と社員に強い再生の意思があること

・企業の事業目的がクリーンなものであり、長期にわたり地域にとって必要なものであること

・再生計画が実現可能なものであること

・事業再生計画が、過去の反省に立ち、経営資源の選択と集中を図ったものである ことであり、定量的には

・3年以内に収支の黒字化

・5年以内の債務超過脱出

・10年以内の既存借り入れの内、根雪資金の償還

 です。(根雪資金とは借り入れとして財務に張り付いている資金、反対語は回転資金)

 この条件は冷静に眺めてみると、定性的にも、定量的にも根本的におかしなことが多くあります。

 まず、定性的には一番大きなファクターは地域で必要とされるという点ですが、真にそうであるならば、再生が必要とされる窮状状態に陥らないのではないかという疑問です。

 いやこれらの定性条件を守れるのは優良企業だけでしょう。

 そう思うとナンセンスです。

 定量的には、3年以内収支黒字化、5年以内債務超過脱出はまだよいとして、

10年以内の既存借り入れ償還と言うのは一般的な中小企業でさえ難しいものです。

 利益が出れば、一定比率は納税しなければいけないというルールがあるからです。

 

(2)再生支援計画の矛盾(法務の世界とのリンク)

 

 ここで考え方として、再生支援のゾーンに入るということは、法務の世界に入るということです。これは経営者がなかなか理解しにくいものなのです。

 なぜ法務の世界に入るのか説明します。

 税務・金融では、一般の健全な顧客がおり、一定のルールに基づき対応されています。

 この場合、再生支援先は、このルールを外すことになるのです。

 金融で説明します。預金者から預かった資金を銀行は一定ルールに基づいて、貸し出していますが、そのルールを外すということです。

 よって、国の再生支援ガイドラインによって、処理される時、経営者は一定の責任を取らされるということですなのですが、債務者である経営者はピンと来ていないのが現状です。

 

・再生支援協議会では案件の主幹事が、銀行や弁護士になります。

 再生支援計画の実態は、金融機関職員が作っており、改善の手段においては、全くリスクを踏んでいません。

 「経営者がリーダーシップを発揮する」など当たり前のことばかり書かれていて経営者には実感のないものになっています。

 

・過剰支援禁止の法則

 法的な世界で支援されるために過剰支援禁止の法則があります。

 ルールを外して支援するために、一般企業より有利になる程、融資などを実行することが不可になるのです。(具体的には債務超過ラインを超えて融資できない)

 市場は「はるか上空」で、違うレベルで競り合っているということです。

 これでは、二次被害を起こすなという方が無理な話です。

(3)事業継承・再生支援の矛盾

 

 次に事業継承・再生支援における経営と言う視点からの共通の矛盾点を書きます。

 

 既存事業として、主に創業者がやってきたことは時代にそぐわない業種・業態になっていることが想像されます。

 

 マーケットの期待値に対して経営レベル・財務レベルに差がある場合、それに追いつくまでに浮上するのは、不可能な場合がほとんどです。

・マーケットで上位の競り合っている事業所もそれ以上の経営上の努力をしている

・その状態になった時点で企業価値は、下方への重力が働いている

 というのが理由です。

 事業継承では、継承者は大きくディスアドバンテージを背負った形でのスタートになります。

 創業後10年で大部分は消えてしまうと言われています。それ程に、事業で収支を合わせると言うのが難しくなってきています。

 後継者を、マイナスの条件で始めさせてはいけないと言うのが私の意見です。

 今、事業を継承する、あるいは、再生する大義は何でしょうか?と私は問いかけます。

 親の事業を継ぐという従来の日本人的美徳は市場には一切通じません。

 

 では、どうすればいいのか?

 事業継承において、後継者が何か事業のビジョンがあるならば、親の事業と切り離してやった方が成功確率が高いということです。この事例は数多くあります。

 一点注意は、親が、関係者に迷惑をかける形で事業清算すると、その親族はすぐには資金を金融機関から借りられないということです。(保証協会の保証も同じ)

 これは、親と子は本来、別人格なので表向きの規則ではありません。

 金融機関側の暗黙の空気としてです。

 しかし、

・投資資金の必要としないビジネス類型を考える

・親と違う形のビジネスを試行する

 こととなり、現在の潮流と合致してビジネスとしては逆に成功に近づくのです。

 資金を要しないマーケティングについては、15の戦略を繋げの中のA/Bテストを読んでみてください。

 

(4)総括

 

 ここでの結論は、

・事業継承をどうしようか?

・再生支援を図れないか?

 と悩みだした時点で、自分で事業ヂューデリをして、いったん事業清算に向かうべきか検討すべきという意見です。

 この問題で悩むと言うことは既に、企業価値を下方に引っ張る重力が効いているTPOだからです。

 

 再生計画を練っている間にも間にも企業価値は落ちていくのです。

 

 

・最近使われている用語 

実抜計画 金融業界で一般的に使われている言葉で、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」の略。再生支援計画で使われます。実現可能性にアクセントがあります。

金融検査マニュアルに記載されている言葉です。

 これに対して、合実計画「合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画」という言葉もあります。

 このように、専門家でもわかりにくい言葉を略語にすることについて、行政は常に一般人に分かりやすく説明する義務があるという観点より、当社は徹底的に反対しています。補助金・助成金でも色濃くこの傾向があります。

 

 

 

 

続く

 

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続く 

 

 

 

 

 

 

 

    


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