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STORYで考える経営戦略~深い煙の向こう側~2


要約動画です。  

 

 

主人公、遠野木蝶子の物語は、拙著、「補助金に頼らない経営戦略」でも読めます。

STORYは楽しんでもらえればいいのですが、今回の話のサブテーマは事業拡大は才能か?論理か?努力か?ということです。結論から言えば、才能です。人の能力とはそんなに差はありません。

(この総括も徐々にここに付け足していきます。)

全4回です。

 

ラ天使のエチュード  ~深い煙の向こう側~

作 西河 豊

CAST 遠野木蝶子 井川大作

 

STORY

 

蝶子のその姿を見て以来、井川はもうこの女性にはかなわないという姿勢で対応したのが良かったのか?

他銀行の担当者とは違い井川には時間を割いてくれるようになった。

よく蝶子は、井川によく「才人」「凡人」「職人」「悪人」の話をした。

これは、まさにトランプのゲームのようで、悪人に生れついた人でもTPOによっては、世の中に対して、必要な時もあるというのだ。

この4種の人間はどれが上と言うことでもない。生まれついての役割だという。

そして、蝶子さんの話では人は、星の下に生まれつき、人生はほぼ決まっているという。

井川は凡人だと言われて、間違って才人と勘違いしてはいけないと言われた。

「でも、井川さんは凡人でも努力できる凡人、それが好感を生むの、それを忘れちゃいけないわよ」と蝶子さんは言った。

それが、井川が、蝶子さんに可愛がられた理由かと思うとちょっと恥ずかしく、そして残念な気もした。しかし、俺は努力のできる凡人だと割り切ると井川の人生はその後、うまくいった。30歳で係長、46歳で課長、48歳で次長にと昇格した。

しかし、蝶子さんは自分については笑ってごまかした。

人間生まれるならば才人に生れ付きたいと人が思うのは、当然だと思ったが、才人に生まれつくことが、そういいことばかりではないということが蝶子さんの人生を見ての結論だったがこれも後の話

一度だけ、井川が蝶子に抵抗したことがあった。

 

井川は煙草を一服すると支店内に戻り、業務の続きを再開した。

無意識に検印を押しながらも、井川はその事件を思い出した。

時間は遡る。

西陣に老舗の織物卸があった。山村織物と言う。

先代が先見の明があり、多くの資産を築いて早くになくなった。先見の明があったとは、織物の事業を早くにリストラして、賃貸業や絵画の卸しにシフトした。

そこで、先代の死亡で息子が継いだのだが、事業センスがあまりない人物(山村武彦)だった。

事業センスのない人物は、ノウハウのない分野に進出したがる傾向があり、遠野木蝶子のいおりの隣の瀬戸物屋が、締めるということになり、2階の賃貸物件ごと買い取り洋食屋を開始したいという。

山村氏は手持ち資金はその頃は底をついた状態だった。ただし、資産はあった。

①    居住不動産       評価 2,800万

②    親から遺産の賃貸用物件 評価 4,000万

②は月20万入ってくる。

事業展開前資産

居住用資産 2,800

賃貸用資産 4,000  月20万賃料あり

小計    6,800  (単位:万円)

 

そこで、居住の場所まで変えて、そこで飲食事業をする案を考えた。

当時は千本通りは飲食業が流行っていたので洋食屋をしようと思い立ったのだ。

 

更地価格  5,000

1F店舗2F住居改装  3,800

小計    8,800(単位:万円)

 

物件は西陣千本通りにある、店兼自宅を建てるには8,800万必要。

そこで、借り入れが必要となった。

4,000万+2,800万=6,800万

開店資金=5,000万(土地)+3,800万+運転資金1,000万=10,000万

差額=3,200万円を借り入れする計画である。

ここで井川の京都故宮信用金庫は、住宅用部分を多くして住宅ローン30年返済を使うこととした。

 

月9万ならば返せるだろう。

ここで、蝶子さんに、そのような話をすると、表情を曇らせうまくいかないでしょうね、と言った。

しかし、井川には金融機関なりの理屈があり、自信があった。

それは、資産を置き換えているだけで借り入れ込みにしても、それなりの資産が残るのだから金融機関が窮することはないという理屈だった。

この案に対して蝶子は「銀行さんは、時々、水と油を混ぜたがるのねえ」と言った。事業用資産を住宅ローンで買うことに対する批判だった。

 

プランの実行は進み、1年も経たないうちに蝶子の見立ての方が、正しかったことが判明した。

 

 

 

5 へ 続く

 

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~京都の経営戦略の特殊性を覗く~

  

西河    豊  [ 著 ]


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内容

第1部 補助金に頼らない経営戦略 

第2部 政府施策の方向性を知る  

第3部 心を整え戦略を練る   

第4部 戦略の定石  

第5部 京都の経営戦略の特殊性を覗く

第6部 ラ天使のエチュード~遠野木蝶子のビジネス闘争記~

西陣織物編、水商売編、不動産取引編(ダイジェスト)ベンチャー育成編、海外放浪編、ベンチャー育成編 後編

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西河 豊 著 株式会社西河マネジメントセンター 監修

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