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9.コスト計算
コスト計算はまず、取り組んでみること! |
Q:クライアント
コスト計算はどうするのですか? |
<コスト計算の手法について>
製品を作るのにはさまざまな費用が発生するが、製品1個に費やした費用を計算するのがコスト計算である。
コスト計算を実施することにより、製品の売価を決める基準としたり、各製品の利益貢献度を把握したり、コストを低減する努力をしたり、予算を立案し事業の道しるべとすることが可能になる。
(1)コストの中身
製品を作るにはさまざまなコストが発生するが、製パンを例にすると主なものは次の通りである。
① 材料費:物品の消費によって生ずる原価
(製パン:小麦粉、卵、砂糖、あん、クリーム等)
② 労務費:労務用役の消費によって生じる原価
(製パン:パンの製造・販売等のために雇った人の人件費)
③ 経費 :材料費・労務費以外の費用
(製パン:水道光熱費、設備の減価償却費、店舗の賃借料等)
また、上記は、製品の製造において直接的に認識されるかどうかで直接費と間接費に分類できる。直接材料費・直接経費は特定製品に直接結びついているため1個に費やしたコストの把握は容易である。一方、間接材料費、直接・間接労務費、間接経費は特定製品に対し1対1の関係になっていないため、一定の基準を設定し、各製品に割り振る必要がある。
(2)加工費率の設定
上記のように、製品1個に要する費用のうち、間接材料費、直接・間接労務費、および間接経費は、製品に対し1対1で結びつかないため、一定の率を計算し、各製品に負担させる必要がある。その際に用いられるのが加工費率の概念である。
加工費率の設定にはさまざまな方法があるが、代表的なものは、1時間当たりの費用率を設定し、各製品の製造に要する時間に乗じる方法である。
※加工費率(加工費レート)
=年間に発生予定の労務費および間接材料・間接経費の合計÷年間予定作業時間
※年間予定作業時間=従業員数×1日の作業時間×年間の作業日数
(3)変動費と固定費
①変動費:生産量や販売量に応じて変化する費用
(製パン:材料費、販売が多いと見込まれた日に雇うパートの費用)
②固定費:操業度や売上高の変化により変動しない費用
(製パン:社員の人件費、設備の減価償却費、店舗の賃借料)
(4)付加価値・限界利益とは
付加価値とは売上高から材料費等を控除したもので、会社やお店が生み出した正味の価値をいう。
一方、限界利益とは売上高から変動費を控除したもので、付加価値から変動労務費を除いた額とも言える。
授産施設の場合、授産事業においてパートを雇っていない場合は、付加価値=限界利益となるが、工賃UPのためには、この付加価値もしくは限界利益を増大する必要がある。
付加価値を増大するには、下記の方法がある。
① 販売売価を上げる
② 材料費を下げる
③ 販売量を増やす
(5)授産施設のコスト競争力
製パンを例に挙げると、コストのみを比較すると、一般的に固定費(人件費、設備費、賃借料、販売促進費等)の負担が小さい。
つまり固定費が少ない場合で、仮に同じ売上高の場合、限界利益率が小さくなっても、競争力は保てるということである。
限界利益率は、(売上高-変動費)÷売上高であるから、同じ製品でも売上を下げたり、より高級な素材(変動費)を使用したりすることが可能である。
つまり、費用構造上のみを考慮すると、授産施設は、競争力ある製品を開発することができるのである。
5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」を言い企業により「信用」を入れているところがあります。 日本語の最初の読み方が「S」で始まるので、このように言われています。 |
Q:クライアント
5S とは何ですか? |
これは特別な勉強する必要がなく、難しいこと考えずにすぐに取り組めますので、授産施設においても有効だと考えています。
今では日本のほとんどの製造業でこの5S運動を展開しています。ものを生産するにあったて最も基本的な事柄です。
5Sは、それぞれが関連しています。無駄をなくして生産性の向上や、在庫費用の圧縮、労働災害の防止、安全衛生に重要なことです。以下この各「S」について説明します。
(1)整理
広辞苑には「乱れた状態を整え、秩序正しくすること」「不要なモノを取り除くこと」とあります。道具や書類を取り出すとき、普段使わないものをかき分けながら取り出します。かき分け、そこに探し出す無駄、労力の浪費があります。あまり使わないものの基準を明確にし、捨てます。そうすると保管場所が不要となり他に有効な使い方ができます。書類では保存期間を決めておき、同時に廃棄する日を決めておく。そうすれば廃棄する日に、整理できます。書類の場合、法律や税法で、保存期間が決まっており、どうしても所定の書類を保存しなければなりませんが、基準やルールを決めずにしておくと、誤って重要な書類を廃棄したり漏洩・流出してしまう恐れがあります。
個人情報保護法では個人にかかる書類を漏洩しないように定めており、整理は大変重要です。
(2)整頓
広辞苑では「よく整った状態にすること。きちんとかたづけること」とあります。①どこにあるか誰が見てもわかるようにする。②すぐ取り出せる。書類や道具をすばやく取り出すことは探す無駄を省き生産性の向上につながります.「定置定量」と言う。置き場所と置く量を決めておくと、在庫を容易に判別でき、発注する場合に便利な他、余分で無駄なスペースがなくなり、保管容器も決められ、移動にも役立ちます。
道具や、文房具、機械を置く場所は操作するのに都合のよいアクセスのし易い場所に決めます。
そして誰にも元に戻す習慣を持つこと、担当者を決めて前述の整理とともに整頓に管理、維持、ルールを守らせる牽制をします。
書類や、資料の整理も、分類整理すること、分類する工夫をすることによって新たな企画や知的生産に役立てることも出来ます。
(3)清掃
広辞苑では「きれいに掃除すること。さっぱりと払い除くこと」とあります。清掃の「清」とは「きもちがよい、さわやかである」とあります。
清掃により職場がきれいになり、従業員のやる気を起こさせます。また清潔であることは特に食品工場には必須事項ですし、働いている人の健康維持にも重要なことです。清掃は機械や工具の故障を防止しその寿命・使用期間を長引かせることも出来ます。きれいな職場や、店舗は取引先や顧客に安心感や爽快感を持たせ、信用をもたせ取引や販売にいい影響を与えます。
清潔を維持するためには、ほこりの出易い場所、汚れるところを把握し重点的に清掃する習慣を身につけます。また清掃用具は目に付いたところにおき何時でも清掃するようにします。また定期的に掃除する習慣を身につけます。掃除され清潔で整理・整頓された職場は、無駄な物をなくし、ものの紛失や漏洩、場合により内部不正の防止にも役立ちます。
事務室などの各自机の上の、整理整頓掃除の励行は、業務を能率よくさせ、事務ミスの防止にも役立ちます。
(4)清潔
広辞苑では「汚れがなくきれいなこと。衛生的なこと。また人格や品行がきよく、いさぎよいこと」とあります。
清潔な服装、清潔な職場とは決められたことを確実の守り。こまめに掃除したり、整理整頓したりする結果です。清潔な身だしなみは食品中毒や事故を防止します。顧客にも爽やかな気持ち与え、営業活動に影響を与えます。清潔にすることは職場のルールを守る意識を高めます。コンプライス意識の向上です。
(5)躾
広辞苑では「礼儀作法を身につけさせること」「礼儀」とは「社会生活の秩序を保つ為人が守るべき行動様式」とあります。「しつけ」とは守るべきルールを守ること。あたりまえに自然と出来るまで強制することです。
しつけを定着するまでのステップとしては、①ルールの目的を説明する。②実行する③違反を確認し、守られない原因を考え対策を決める。守らない人には個別指導する。等があります。たとえば挨拶の励行も躾です。「オアシス」運動と言われる「おはようございます」「ありがとうございました」「失礼します」「すいませんでした」などの躾は社会人として当然に身につけるべきことです。また約束事を必ず守るのも重要な躾です。納期を守る、契約どおりの製品をつくる、品質管理を厳格に行うなど、すべての業種に共通したルールです。又躾に対する指導は人を成長させ教育の基本であります。
以上5Sは、単に事業をして利益を得るだけでなく「ノーマライゼーション」の理念にかない、社会生活を円滑に行う上で重要なこととして、推進すべきものと考えます。
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